1999年11月30日
和歌山県 空き家削減へ 耐震化支援で賃貸促進
社会問題になっている空き家を減らそうと和歌山県は、新年度から空き家の耐震化を支援し、移住者らへの賃貸促進に力を入れていく方針。
全国でもトップクラスの高い空き家率を下げていくとともに、移住者増につなげたいという。
空き家は景観や治安、衛生環境が悪化するなどの問題が指摘されている。総務省の2013年調査(抽出調査)によると、県内の住宅総数は47万5900戸で、空き家は8万6千戸。
このうち、売買用や賃貸用の空き物件を除いた空き家は4万8200戸。住宅総数に占める割合は10.1%で、全国3番目に高い。戸数は右肩上がりで増えていて、1998年が2万6600戸(6.2%)、2003年が3万4700戸(7.6%)、08年が4万2500戸(9.1%)。
県と県住宅供給公社は本年度、県内の移住促進を目的に「移住支援住宅管理機構」を設置し「空き家バンク」の運用を開始した。空き家を所有者から借り上げ、移住者に貸し出す事業を進めている。
流通が進めば、空き家の減少につながるが、1981年6月に定めた新耐震基準を満たすことが借り上げの条件。しかし現状は、耐震性が低い空き家も多いとみられるため、県はこれまで現住住宅を対象にしていた耐震診断や設計、改修の補助対象を空き家にも広げることを検討。住宅管理機構などの借り上げ対象にしたいという。
■「評価証」でお墨付き
また、空き家の借り手や買い手に安心感を持ってもらい、流通促進につなげようと県は、雨漏りや傾き、シロアリ被害の有無などを検査し「評価証」を出す制度を整備したい方針。検査は、建築や不動産関係の団体で組織する協議会が担う。県は協議会設立を支援するほか、空き家所有者らに制度の利点を広報して利用を促したいという。
平成28年2月6日
紀伊民報記事より抜粋
更新日:
2016-03-03 16:44:36